2018年7月14日土曜日

小論文の書き方②:小論文とは何か

小論文とは何か

大学受験や大学院受験、就職や採用試験、昇進試験など、小論文を書かなくてはならない機会が長い人生においては何度かあります。

多くの人が小論文というものを書くことを避けては通れないのではないでしょうか。

様々な場面で必要となる小論文というものの書き方について、これまでそんなもの書いたことがないという大学受験生にもわかりやすく、説明していきたいと思います。



 まずはじめに、そもそも小論文とは一体何なのか?

いままでに学校などでよく書かされた感想文や作文、はたまた日記などとは何が違うのか?

受験生の皆さんはこれまで学校の宿題などで様々な文章を書いてきましたよね。

だから皆さん、ただ単に文章を書くということであればそんなに苦手意識もないでしょうし、それなりに書けると思うんですよ。

しかしながら、あらためて小論文といわれると、これまでに書いたことがあるという人はわりと少ないでしょう。

いったい何を書けばよいのか、どのように書けばよいのか、皆目見当がつかないという受験生も多いのではないでしょうか。


小論文とは書き言葉による議論なのです。

何かあるひとつのテーマに対して、自分はどのような意見や主張を持っているのか、その主張なり意見なりがなぜ正しいと言えるのか。

自分とは異なる立場の人に対し、自分の主張の正しさを論理的に、書き言葉によって説明し、説得する。

簡単に言うと、これが小論文なのです。


小論文は作文や感想文とは異なる

作文や感想文では自分が思ったこと、考えたことをそのままわかりやすく、時には面白おかしく書けばいいですよね。

例えば、ある映画を見に行って、それがすごく面白かった。

これまで見たどんな映画よりも素晴らしかった。

だから、その感動を文章でみんなに伝えたい。

これが感想文なんですよ。

その映画がいかに素晴らしいか、よくできているか、ストーリーや映像についての描写、配役や役者の演技など、自分の気に入った点、感動した点をわかりやすく言葉で伝える。

で、あなたの感想文を読んだ人の中には、「そんなに面白いんだったら自分も見てみるか」と思う人もいるでしょう。

しかし一方で、あなたはそんな風に感じたかもしれないけど、たぶんつまらないよね、興味ないなあと思う人も、残念ながらいるはずです。

でも、それはそれで構わないのです。

なにもあなたの感想文を読んだ人たちが皆、あなたの感想に賛同する必要はない

だって、何を面白いと思うか、何を素晴らしいと思うかは人それぞれ、感性や価値観の問題。

全ての人がみな一致するということはあり得ないし、また一致する必要はないわけです。

むしろ、多様な感性、様々な価値観の人が共存することこそが重要です。

だから、感想文はあくまで「あなたの感想」でいいんです。


しかし、小論文はそれではダメなんですよ。

それでは小論文を書く意味がないのです。

どういうことか?

先ほど、小論文とは書き言葉を用いた議論であるといいましたが、みなさん、何かについて議論をするときのこと、考えてみてください。

ある事柄について賛成か反対か、イエスかノーか、みんなで話し合って結論を出すじゃないですか。

例えば会社で何か新しい企画を検討している時に、それをやるのかやらないのか、議論して決めますよね。

あるいは政治家の先生方がある政策をめぐって議論する。

その場合も最後は結局多数決になりますが、その政策をやるかやらないか、結論を出しますよね。

そのような議論をする場合に、みなさん自分の意見を一生懸命主張すると思うのですが、その目的は何でしょうか?

自分とは異なる意見の人たち、反対意見の人たちに対し、自分の意見がいかに正しいのか、合理的であるのかを、論理的にわかりやすけ説明することで、相手を納得させ説得することではないでしょうか。

それを聞いたあなたとは異なる意見を持つ人々が、最終的にはあなたの意見の正しさを認め、それに同意する。

これを目的として皆さん、議論をするわけですよね。


逆に、長時間議論を重ねたけれども、結局お互いに相手の意見に歩み寄ることはできずに合意に達しなかった、議論は平行線のままだったというのでは、何のために議論をしたのか、全くの無駄というわけではありませんが、やはりあまり実りのない議論であったと言わざるを得ません。

ましてや、自分の意見を聞いた相手がそれに同意しようがしまいがどちらでもいい、とにかく自分は言いたいことを言えばそれでいいといった姿勢で議論に臨む人はほとんどいないでしょう。

議論をする目的とはあくまで、互いの主張の論理的正しさを競い合うことで、双方が納得する結論に達する、合意するということであるはずです。


論文に関しても、それが書き言葉による議論である以上、これと同じことが言えるのです。

論文ではやはり、あるテーマに対するあなたの意見を主張し、それがいかに正しいと言えるのか、論理的に説明する必要があります。

あなたの論文を読んだ人が、それによってあなたの意見の正しさを理解し、同意しなくてはいけない。

ここが小論文が感想文などと大きく異なる点なのです。