2020年12月8日火曜日

小論文の書き方⑫:新聞記事など、主張があいまいな課題文

小論文の試験では様々な種類の課題文が出題されますが、その中でもよく出されるものとして新聞記事があります。

新聞記事から抜粋した課題文の場合、あるテーマについて、賛成論と反対論の両方が書いてあって、最後に「・・・はこれからの日本を左右する重要な問題である。国民の間での真剣な議論が必要であろう。」みたいな感じで終わるものが多いですよね。

その記事を書いた人自身の主張はどっちなのか、賛成か反対か、はっきりとは書かない。

様々な人にインタビューして拾ってきた発言の一部を列挙し、賛成論と反対論を自分の意見としてではなく、そういった人々の言葉として紹介していく。

で、最後の最後でも自分の意見は言わずに、「われわれ国民みんなが真剣に議論すべきだ」なんて言って、お茶を濁す。


こういった課題文について小論文を書く場合も、最初に述べた通り、皆さんは自分の主張や意見をはっきりと述べなくてはならない。

その問題について賛成か反対か、立場を明確にする必要があります。

課題文の新聞記事に引っ張られて、「難しい問題だ」とか「われわれ一人ひとりがもう一度、真剣に考えるべきだ」なんて曖昧なことを書いてはいけないのです。

それは新聞記事だけで十分。

試験で小論文を書かせるということは、みなさん自身の意見を聞きたいわけですよ、出題する側としては。

だから、そのような出題者の要望にきちんと答えなくてはいけない。


これは何も小論文に限ったことではないのですが、色々な試験、特に記述式の試験では、出題者の意図を正確に読み取り、それにきちんと答える形で解答を作成するというのが鉄則です。

出題者はその問題を通して何を聞きたがっているのか、どういう知識を要求しているのか、何を書かせたがっているのか...。

これをきちんと読みとって、出題者が満足するような解答をする必要があります。


小論文を試験として課すということは、出題したテーマについてあなたがどのような意見を持っているのか、それをいかに論理的にわかりやすく説明できるのか、こういった能力を見たいわけですよ。

だから主張と論拠を必ず書かなくてはいけない。

これらを明示しない新聞記事などが課題文として出題された場合でも、この原則は必ず押さえるようにしてください。