2023年12月6日水曜日

志望校選びと目標設定

大学受験の勉強をするうえで、志望校を決めること、目標を設定することは非常に重要です。

特にこれといっていきたい大学もなく、ただ漫然と勉強していてもあまりやる気が出ないよね。

また、志望校が決まらなければ受験の形態や受験科目、客観式テストか記述式テストかも決まらない。

そうすると、何を勉強したらいいかわからないということになってしまう。

ですからやはり、志望校はなるべく早く決めるにこしたことはないのです。

後から志望校を変えてもいいんですよ。

もちろん変えないほうがいいんだけど、勉強をすすめていくなかでどうしても他に行きたい大学や学部が出てきたらしょうがない。


たしかにどこの大学に行くにしても基礎力は必要ですから、まずは主要科目の基礎をしっかりやっておくというのは一理ある。

でも、例えば一般入試で私大文系を受けるなら、数学や理科の勉強はしなくていい。

学校の定期テストで赤点を取らない程度にやっておけばよい。

その分、英語や国語に集中して取り組むべきなんです。

あるいは同じ文系でも例えば東大を目指すのであれば数学はしっかりやっておかなくてはいけない。

早稲田や慶応を受験するつもりで勉強してきて、途中から「やっぱり東大とか、国公立も受けたい」なんて言っても遅い。

まあ、2,3年かけてやるつもりだったらいいけどね。


で、とりあえずは一般入試かAO/推薦入試を目指すのか、私大か国公立か、文系か理系か・・・

これらをいつまでに決めればよいのか?

遅くとも高校に上がる頃には決めてください。

例えばAO・推薦入試をメインで考えるとしたら、学校の成績を上位にキープしておかなくてはならない。

評定平均が評価の対象に含まれることが多いからね。

主要科目だけではなく体育や音楽なども含めた全教科、まんべんなくいい成績をとっておかなくてはいけない。

評定平均は高1の1学期の成績も入るから、1学期の中間・期末からしっかりとっておいたほうが断然有利なんです。

高3になってからはじめてAO・推薦入試を受けようと思っても、評定が足りなくて○○大学には出せないとか、そんなに行きたくないんだけど××大学しか出せないとか、そういうことになる。

そうならないためにも高1の段階ですでに評定を意識して勉強をしておいたほうがいいんですよ。


逆に、こういった試験は考えずに一般入試だけを受けるのであれば、学校の成績よりも受験学力をつけることを意識して勉強する必要があります。

先生によって異なるから一概には言えないんだけど、学校のテストって、授業でやった内容やテキスト・プリントをとりあえず丸暗記していればそこそこ点が取れるものが多いじゃないですか。

例えば英語の読解のテストだったら、教科書やプリントの英文とその和訳を、意味や理屈がわからなくてもとりあえずは丸暗記しておけばけっこう点が取れたりする。

でもこういった勉強の仕方では当たり前ですけど学力はつかない。

単語や熟語を暗記するのはいいんだけど、英文和訳だったら、なぜそういう訳になるのか、
英文の構造や文脈の中での単語の訳し方、意味の取り方などを理解しておかなくてはいけない。

これが、学力をつけるための勉強なんですよ。

だから、丸暗記しておきさえすれば点が取れるようなテストでは、いくら高得点が取れたとしても学力の向上にはつながらない。

はっきり言って無駄な勉強だよね。

だから、そんなことにあまり時間を割かずに、学力をつけるための受験勉強をやったほうがいい。


都内の中高一貫校なんかだと、学校の近所にその学校の生徒のみを対象とした塾がけっこうあるんですよ。

「○○中高の生徒さんだけの専門塾」みたいな。

で、こういうところは何をやっているか?

過去の中間・期末の試験問題を大量にストックしていて、「あ、田中先生だったら一学期の期末はこれね、毎年ほとんど同じだから」とかいって、過去の試験問題とその解答をコピーして生徒に渡すんですね。

で、生徒は問題と答えを丸暗記していく。

ほとんど同じ問題が出るから、高得点が取れるんですよ。

こういうところが結構人気があったりするんだよね。

この話を初めて聞いたときはびっくりしたというか、あきれてしまったんだけど、こういうところに子供を通わせる親がいることも事実なんです。

しかも「すごい、いい塾よね。お金払うだけの価値があるわね!」なんて言いながら。

もうね、アホかと、馬鹿かと…


脱線してしまいましたが、そういうてっとり早く点数だけとれればいいという姿勢では、学力はつかないし、ましてや思考力なんか全然つかないからね。

だから、一般入試を目指すんだったら、学力を伸ばすことを常に意識しながら勉強することが大事。

自分が今やっている作業ははたして学力向上につながるのか、あるいはただ単に目先の点数を取るためだけの勉強なのか、そういうことをいつも意識してください。

で、学力の向上につながらないものはなるべく切っていく。

その時間と労力を学力向上につながる勉強に割り当てていく。

こういった姿勢で勉強することが重要です。


じゃあ、AO・推薦入試を目指す場合はどうなんだと。

さっきのような塾に行ったほうがいいんじゃないかという意見もあるかもしれない。

確かに、学校の成績を伸ばして評定平均を上げるというだけならいいでしょう。

限りなくカンニングに近いやり方だから、最小努力で効率よく好成績をとれる。


でも、AO・推薦入試は評定だけじゃないからね。

志望理由書やレポートのような書類、小論文、面接がある。
場合によってはプレゼンテーションやグループディスカッションまであるからね。

こういう試験で評価されるポイントは何か?

論理的思考力と表現力、
幅広い知識や教養、
自分の頭で物事を考えることができること、
オリジナリティ、
将来に対するビジョン、
目標が明確であること、
その目標に向かって地道に努力できること、…etc.

あげていけばきりがないんですけど、こういった点が評価されるんですよ。

「過去問見て答えだけ丸暗記していれば点が取れてラッキーだよね」
なんてイージーな考え方のひと、そういうセコい奴は評価されないよ、たぶん。

特に一流大学は。

他にも優秀な受験生がたくさん受けるからね。

だってこういう人をとっても、大学に対してなんのコントリビューションもしないだろうから、大学側もとる理由がないんですよ。

だから、AO・推薦入試を受ける場合もやはり、それに向けた努力が必要。

もちろん一般入試とはまた違った準備になるんだけど、先に挙げたような能力を伸ばしていかなくてはならない。


うちでも毎年AO・推薦入試の子たち見てるけど、やっぱりまじめで優秀な子が受かるんです。

一流大学になればなるほどそう。


で、最初の話に戻るけど、とにかく早く目標を決めて、それに向けた準備を始めることが重要という話なんですね。

一般入試か推薦入試か、私大か国立か、文系か理系か。

高校生になったらすぐにでも決めてください。