2018年10月22日月曜日

小論文の書き方⑤:論拠

主張には必ず根拠が必要

ここまで、テーマと主張について書いてきましたが、これが決まったら次はいよいよ本論です。

これが小論文において最も重要な部分、ここで大きく評価や点数に差がつきます。

あるテーマに関するあなたの意見を主張したら、なぜその主張が正しいと言えるのか、あなたとは反対の意見や異なる立場の人たちを説得するつもりで、論理的に根拠を挙げながら説明していく必要があります。

繰り返しになりますが、ここで重要なことはあなたの意見の「正しさ」を説明するということと、それを「論理的に」説明するということの二点です。

これが小論文と感想文の最も異なる点。

小論文ではあなたの主観や好き嫌い、感情ではなく、あなたの意見の「正しさ」を主張しなくてはいけないのです。


「正しい」というためには、客観的でなくてはならない。

あなたにとってだけ、あなたの頭の中でだけ正しいとか、あなたと同じ意見の人たちの間でだけ正しいというのでは、客観的とはいえません。

それで満足だということであれは、異なる意見の人々との間で議論が成り立たない。

そうではなく、小論文におけるあなたの意見は客観的に見て正しいものでなくてはならない、異なる立場の人々があなたの意見の正しさを認めなくてはならない。

で、正しさを証明するためにはきちんと根拠を挙げて、それを論理的に説明しなくてはいけない。

その論拠がどれほど説得力があるのか、それがいかに論理的に妥当であると言えるのか、ここが小論文の評価において最も重要な点になります。

小論文の点数の大きな部分はここで決まると考えてください。


まずは主張の論拠である本論を論理的に、わかりやすく書くことを心がけてください。

あなたとは異なる意見を持つ読み手を説得するような気持ちで書いてください。

欲を言えばここで展開する論理にオリジナリティがあれば、さらに高得点をねらえます。

他の人があまり書きそうにない論理、なかなか思いつかないであろう論理を展開して、「なるほど!そういう理屈もあるのか」と読み手を唸らせるような議論を展開できれば高評価につながります。


しかしながら、オリジナリティは両刃の剣というところもあるので注意が必要です。

オリジナルであることを目指すあまり、奇を衒った議論や読み手が理解できない、納得できないような理屈を述べ立てると失敗することが往々にしてあります。

また、読み手が知らないような特殊な言葉遣いや専門用語、特定の分野に関する専門家だけが知っているような知識などを書いても、評価は低いものとなるでしょう。

自分勝手で独りよがりな議論と受け取られてしまうからです。


オリジナリティを追求するよりもまずはわかりやすさ、誰が読んでも論理が明快であることを心がけてください。

それがきちんとできるようになって初めて、あなたの独自性を出していくべきなのです。