2019年2月12日火曜日

小論文の書き方⑨:様々な課題文の読み方と扱い方1

大学受験小論文の問題では、ほとんどの場合何らかの課題文が提示されます。

皆さんはその課題文にきちんとフィットした小論文を書かなくてはいけません。

そのためにはまず、課題文の内容をきちんと把握し、課題文が取り上げている本質的なテーマは何か、何について議論すべきなのか、正確に把握する必要があります。

ここでは様々な課題文の読み方について論じていきたいと思います。


1.一行しかない課題文

最もシンプルな課題文として一行から数行程度の課題が与えられる場合があります。

例を挙げてみてみましょう。

「うそも方便」ということわざについて、800字程度で論じてください。(杏林大学医学部2015年)

読書から得られるものについて述べよ。(防衛大学2015年)



このようなシンプルな課題の場合、書くべきことは限定されてきますので、何について書くべきか思い悩む必要はありません。

そういう意味では簡単であるともいえるのですが、逆に言うと、テーマから外れた論文やピントのずれた論文では、いくら書いても評価につながりません。

与えられたテーマについて何を書いたらよいのか分からない、書くべきことが思いつかないという理由で、課題から少しずれた論文を書く人がけっこういるのですが、そのようなことがないように留意すべきです。


例えば、例に挙げた防衛大の問題の場合、「効率的な読書法」とか「最近の人々の活字離れ」などといった話でいくら書いても評価にはつながりません。

たとえそれが論文としては面白いもの、優れたものであったとしても、あるいは文章として良く書けていたとしても、評価は低いものとなります。

「読書から得られるもの」というテーマからずれているからです。

自分がこれまでの読書経験を通じてどのようなことが身についたのか、どんな利点があったのか等について正面から論じなくてはいけません。

また、「読書なんてしても大して得られるものはない」とか「読書よりも経験や体験から学ぶほうが重要だ」など、課題そのものを真っ向から否定するような論文も避けたほうが無難でしょう。